最近iOS関連のセキュリティが騒がしい。何故iOSにはウイルス対策ソフトがないの?
iOSだとしてももう安心出来ない時代なんだろうか?
先日は,iOSのSSLのセキュリティーホールが見つかり修正され,今度は,不正なアプリを利用することによって,iOSで使用した操作が漏れてしまう脆弱性が発見された。(この件に関して詳しくはこちら)
前回のSSLの脆弱性は,簡単に言うと,iOSの「欠陥」であり,マルウェアではない。しかし,後者の場合は,不正なアプリが関係していることからすると,マルウェアの部類に入る。
Appleの信頼も地に落ちた?
しかし,今回の記事にとても気なる一文が含まれていた。
Appleによる審査をかわして、このアプリを「脱獄(Jailbreak)」させていないiOS 7端末向けに提供できてしまう方法も発見したとしている。
これまで,Appleのアプリに対する審査は「厳しく」不正なアプリはあまり出回らないと信じられてきた。
審査が厳しいということは,開発者の素性が明らかであることも含まれるので,マルウェアを自分の名前を晒して公開するリスクを取ろうとする輩も少なかったということなのだろう。
今回の記事には,「Appleの審査をかわす具体的な方法」は書かれていないが,この事実は,Appleの信用を地に落としかねない事柄だと思われる。
何故iOSにはウィルス対策ソフトが無いのか?
もう,Appleにおんぶにだっこな時代は終わりなのではないだろうか。
「自分の身は自分で守る」と言う考え方にシフトしたほうが良さそうだ。
しかし,iOS上の構造上,アプリを常駐させる事が出来ない。
よって,ウイルス対策アプリは事実上「作れない」のだ。
つまり,OSの裏で常駐して,侵入を防いだり,監視したりすることが物理的に出来ない構造だということ。
ならどうするのか?
現状では,「怪しいアプリには手を出さない」と言う自衛手段しかない。
あるいは,評価レビューに不審な情報はないか,通信機能を使うことの理由を明確にしており,その理由に納得できるか,などの情報を確認してみるしかない。
Appleは今後,自社製品に対するマルウェア対策を迫られると思う。
「Appleの審査は甘い」と言う評判になることは,正直無いと思うが,「Apple製品は安全」と言うイメージを守り続けて欲しい。